綿といえば、アパレル業界では必要不可欠な素材ですが、中国にある新疆ウイグル自治区で作られている新疆綿を使っていない企業が気になりますね。

この記事では、新疆綿を使っていない・使用を中止した企業や国のご紹介と、新疆綿の問題点についてまとめたいと思います。
新疆綿の問題点は?
新疆綿を使っていない企業はどうしてそのような決断をしたのでしょうか?
問題点をご紹介します。
新疆綿の問題点
出典:Wikipedia
新疆綿とは、新疆のウイグル自治区(地図の赤色部分)で生産された綿です。
中国国内にはイスラム教徒のウイグル人という少数民族がいて、
『彼らがテロなどを起こさないように再教育する場所』
として、新疆にある強制収容所にウイグル人等少数民族を集め、
新疆綿の生産の労働力として強制労働をさせています。
強制労働以外にも
- 食事を与えない
- 拷問
- 集団での性的虐待
- 家族と引き離して収容
- 望まない避妊手術の受けさせる
等の人権侵害行為が十人が元収容所の警備員から証言されています。
新疆綿を使用しているということは、このような非道な環境を肯定すっることにもなるため、人権保護の観点から、新疆綿を使わない企業が増えているのです。



新疆綿を使わないことの難しさ
新疆綿は中国で生産される綿のうちの80%を占めており、世界の綿生産の国別シェアは、1位のインド24%に次いで、中国が2位で22%です。
価格も安く、品質が高い新疆綿を使わずに衣料品を作ることは、コスト面でも大きな影響があります。
コスト調整が必要になっても新疆綿を使わず生産することは、
- 強制労働の助長を断ち、生産者の暮らしを守ることにつながる
- 消費者の企業イメージアップ
- 投資家への印象アップ
などの利点があります。
しかし、生産拠点が中国にある企業も少なくなく、中国人からすれば



と、中国内での不買運動につながる危険性もあります。



英断ともいえる新疆綿不使用に乗り出した企業を事項からご紹介します。
新疆綿を使っていない企業一覧
日本と海外別に新疆綿を使わない企業をご紹介していきます。
日本企業
出典:プレジデントオンライン
日本の企業で新疆綿を使っていない企業は
- ファーストリテイリング(ユニクロ)
- グンゼ
- ワールド
- ミズノ
- コックス
などが新疆綿の不使用を発表しています。
企業は板挟み
ユニクロは、2024年11月に新疆綿の不使用を発表しましたが、それまで明確なコメントを発表しておらず、海外から不信感を持たれ2021年5月にはアメリカはユニクロの男性用シャツが税関で押収される事態になりました。
新疆綿不使用を発表するや否や、中国での不買運動にも遭いました。
新疆綿を使用すれば世界的なプレッシャーや企業イメージに影響し、使用しなければ中国で不買運動が起き…企業は板挟みですね。
世論に押されて使用中止に転換する企業も
出典:SDGS united
2021年5月に新疆綿の使用をやめたことを発表しました。
同社は従来、同地産のコットンでのサプライヤーで人権侵害は認められなかったとし、調達を続ける考えだったが、プレッシャーの高まりを受け中止を決断した。
引用:SDGS united
世界的なプレッシャーを感じて使用中止に踏み切ったようです。
直前にユニクロの男性用シャツがアメリカの関税で押収された一件も影響したようです。
海外企業
出典:yahooニュース
海外の企業では以下の企業が新疆綿を使っていないことを発表しています。
- パタゴニア(アメリカ)
- NIKE(アメリカ)
- ZARA(スペイン)
- H&M(スウェーデン)
ナイキやH&Mも新疆綿を使わないことを公表して、中国から不買運動や批判を受けています。
【まとめ】新疆綿を使っていない企業一覧
出典:クーリエ
中国は生産・消費どちらにおいても重要な市場であるため、原料の調達先を変えればいいという単純な話ではなく、中国の国民感情を損ねてしまうと死活問題です。
そのため、簡単に使用中止を決定で胃に企業もまだ多くあります。
しかし、人権問題に各国が連携して手を取り合うことで、中国依存から脱却するきっかけになれば、また新たな商機が得られる可能性もあります。
生産者の犠牲の上に成り立つビジネスを許さない毅然とした態度を企業が取り、消費者も「何を買うか」で意思を示すことで、人権侵害の問題が1日も早く改善するといいですね。



