YouTubeで「ユニクロが中国の工場を閉鎖し撤退した」という動画が注目を集めています。
しかし、これはデマなのではという声も多く上がっています。
ユニクロの中国撤退の報道がデマと言われる理由についてお伝えしようと思います。
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ユニクロの中国撤退を伝える動画が拡散!
出典:YouTube
ユニクロが中国撤退したと伝えるYouTube動画が、1月13日に投稿されました。
現在、「ユニクロ 工場閉鎖」などで検索すると、こちらの動画がリンクされたツイートばかりが並び、、一気に拡散していることがわかります。
出典:you tube
こちらの『ゆっくりぽどす』というチャンネルが投稿した動画ですが、解雇された人数や工場数などの細かな数値入りで説明されており、一見情報の精度が高いもののように感じます。
こちらの動画では
- 中国にある269の工場がわずか48時間で一斉に停止した。
- 7万人にも上る従業員に影響が出た
- ベトナムとバングラデシュの工場の生産能力を3倍に増やすことを決めた。
- 慌てた中国政府が関税撤廃や法人税免除などの対応を提案したが柳井社長は拒否
などと伝えています。
並大抵の検索能力では知り得なさそうな数値までも細かく示して伝えています。
ユニクロが中国撤退がデマな理由3選!
この動画がデマという根拠を3つご紹介します。
- 理由① BBCニュースで報道したという記事がない
- 理由② カンボジアに製造拠点移動は難しかったと柳井氏が発言
- 理由③ 柳井氏が中国の店舗数を今後増やすことを示唆
ひとつずつご紹介していきます。
理由① 大手メディアが報じた事実が確認できない
上記の動画では、、『ウォールストリートジャーナル』や『BBC(イギリスの公共放送局)』が取り上げたといったています。
理由② カンボジアに製造拠点移動は難しかったと柳井氏が発言
また、11月28日のBBCの記事で、ユニクロの柳井社長がインタビューを受けている内容には、この動画と食い違う点がありました。
というインタビュアーの質問に対し、柳井社長は以下のように述べたと書いてあります。
現在は、その自分のコメントに笑いながら、中国の製造技術を他国でまねることは難しかったと言う。
引用元:BBC News Japan
発想を実行するのに難航したようですね。
「一朝一夕でできるようなもんじゃないんで、たとえば工場を作ったとしても、カンボジアもそうですし、ベトナムもそうなんですけど、やっぱり中国資本みたいなものがそこに一緒に入っていくっていうことと、現地資本みたいな人を中国の人が指導するみたいなことでやっていかないと、なかなかね」
引用元:BBC News Japan
中国から撤退して他国に拠点を移しても、完全に中国と切り離すことは難しいようです。
YouTube動画では「48時間で生産ラインを停止した」などのスピーディーな対応が伝えられていましたが、このBBCのインタビューに書かれた事実とは相反すると考えられそうです。
理由③ 柳井氏が中国の店舗数を今後増やすことを示唆
BBCのインタビューで
という質問に対して柳井社長は
と回答されています。
続けて柳井社長は「(中国の店舗を)3000店舗くらいはいけるんじゃないかと思っている」とおっしゃっています。
現在ユニクロは中国に900店舗ほど出典していますが、人口が14億人に対してはまだ余地が多いと考えられているようです。
中国撤退の動画が広がった理由は新疆綿不使用発言か
柳井社長は、このBBCのインタビューで、ユニクロの製品に新疆綿は使っていないと発言しています。
この発言で、中国の国民が激怒し、現在中国ではユニクロの不買運動が活発になっています。
新疆綿自体は高品質で知られる良質な綿です。
しかし、中国政府が新疆ウイグル自治区でウイグル族を強制労働させているとされ、そこで栽培されている新疆綿は、現在アメリカ・カナダ・イギリスなどが輸入を禁止・制限しています。
ユニクロはコーポレートステイトメントとして
『服を変え、常識を変え、世界を変えていく』
と掲げています。
また、サステナビリティに対する取り組みとして,
サプライチェーンにおける強制労働問題についても容認しない姿勢を示しています。
「生産パートナー コードオブコンダクト」を策定・改訂し、いかなる人権侵害(特に、児童労働や強制労働、抑圧やハラスメント、差別や暴力など)も容認しないという方針を生産パートナーと共有し、遵守していただく仕組みを構築しています。
引用元:FAST RETAILING
新疆綿の使用は社会通念上や企業イメージにもマイナスであることは間違いないでしょう。
ただ、現状ユニクロは利益の多くを中国に依存している為、大々的な方向転換となれば運営方法に注目が集まりそうです。
中国撤退の動画に対するSNSでの声
一次情報を探したけど見つからないという声が多く聞かれました。
しかし、中にはネット上の情報を信じている人もいるようです。
【まとめ】ユニクロが中国撤退がデマな理由3選!
出典:BBC
現在のところ、ユニクロが中国市場から撤退したという確定的な情報は出ていません。
そして、今後の見通しについても、柳井社長は中国での店舗を増やす意向を示しています。
中国内の不動産市場の不安定さもあるため、方向転換の舵取りをする可能性はゼロではないと思われます。
しかし、事実は大手ニュースメディアの情報を参考にするなど一次情報の確認をして、デマに惑わされないようにしましょう。
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